1. 『CREA』

岡田将生が語る“演じたい役”の共通点 「少し欠落している役に愛着が湧く」

2021.6.15

「大豆田とわ子」で演じた“しんしん”と新たな舞台で演じる役に共通する点とは?

現在、放送中のドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』で、とわ子の3番目の元夫・中村慎森を好演している岡田将生さん。

 放送後には毎度SNSが関連ワードでひしめき合い、ときには「#岡田将生」がトレンド入りするなど、今一度、岡田さんの魅力に日本中がどっぷりハマっている。

 当の本人・岡田さんはと言うと、SNSは一切やらず、盛り上がりについても「うれしいですけど、へえ~、そうなんですか?」と、やんわり、ゆったり。それでも役には抜群の愛情を見せ、ほっこりエピソードも明かしてくれた。

 本年7月からは、主演舞台『物語なき、この世界。』も封切られる。

 舞台では初タッグとなる三浦大輔さんとの共闘は、岡田さんにとって未知のゾーンへの挑戦になるだろうと、自分の可能性に懸ける瞳がきらめいた。

「演じたいと思う役は共通して、少し欠落している人やどこか足りない人」

――まもなく最終回を迎える『大豆田とわ子と三人の元夫』ですが、CREA編集部でも「昨日、見た⁉」から話が始まるほど、ホットなドラマです。反響は肌で感じていますか?

 へえ~、そうなんですね。今の時期、あまり人にも会っていないので、正直、僕はそこまでわかっていないんですよ(苦笑)。

 ただ、ドラマチームに会うと、「昨日の角田(晃広)さん、素晴らしかったですよ!」とか、「いや、泣いちゃったな~」とか話したりはします。

 同業者の方からも、すごく連絡をいただいていて、「面白いね」と言ってくださるので、それで安心して「明日も頑張ろう!」みたいな感じで(笑)。

――ちらっと検索してみたりも、されないんですか?

 ああ、全然ないです。……でも「なんか良かったよ」と言われたら、確かに嬉しいですよね(笑)。

 ドラマの慎森も、今度やる舞台『物語なき、この世界。』の菅原裕一も、ちょっと欠落している役なんです。僕は、そういう役に愛着が湧くんですよね。どこか欠けている役だと、行動や言葉の意味をより理解しやすいというか、なんか惹かれるんです。

――中村慎森、菅原裕一しかり、まもなく公開される映画『Arc アーク』の天音、前クールドラマ『書けないッ!?』の八神隼人、昨年公開の映画『星の子』の南先生など、岡田さんが近年演じている役はどこか欠落していると言いますか、一筋縄ではいかない印象です。

 そうですね(笑)。基準が、なんかあるんでしょうね。基本的には物語もですけど、演じたいと思う役は共通して、少し欠落している人やどこか足りない人。そういう人のほうが、やっぱり面白おかしくて、好きなんです。

 台本を読むと、まっとうな人間が多かったりしますけど、まっとうな人間なんて意外にいないじゃないですか。……僕もそうだからかな(笑)? 足りない部分があると、すごく惹かれるというか、人間らしく感じるんです。

――今お忙しいとは思うのですが、気晴らしや息抜きなど、自分の時間にあえてしていること、何かありますか?

 「モンスターハンターライズ」というゲームがあるんですけど、僕、かなり前のプレステのときからやってるんです。

――熟練者ですね。

 すごい好きで。今ドラマもやっていて、これから舞台も入るから台詞を覚えないといけないので、モンハンをやらないようにしてたんですけど……昨日、ついにダウンロードしてしまって(笑)。

 今回、新たにお供する仲間のモンスターがいるんですけど、その名前を、ドラマの役名の“しんしん”にしたんです(笑)。そうしたら、しんしんが、いろいろなところに連れて行ってくれたり、活躍してくれて、すごく楽しくて! またとっても愛着が湧いた、という話なんですけど……。昨日すごい癒やされて寝ました(笑)。

――『大豆田とわ子』が終わっても、ずっとしんしんちゃんと一緒ですね(笑)。

 そういうことになります(笑)。昨日気付いたんですけど、違うゲームをやっていても、そのときにやっている役に関わるような名前をつけているんですよね。愛着が湧いたり、癒やされたりしているんでしょうね。

「三浦さんの演出を受けて、友人である桃李さんが、普段見せないような表情を見せていた」

――そして、7月11日からは舞台『物語なき、この世界。』が始まります。舞台では、初めての現代劇、さらに三浦大輔さんとのタッグですね。

 はい。三浦さんとは以前、映画『何者』で少しだけお仕事をさせていただいたことがあって、そのときの三浦さんの演出がすごく好きでした。「もっとこの現場にいたかったな」、「また機会があればご一緒できたら嬉しいな」なんて思っていたら、まさか舞台で! 映像だと思っていたので、驚きはありました。

 これまで、三浦さんの舞台を何度か拝見させていただいて、センセーショナルで過激な部分もあるので、これまで自分のやってきた舞台とは、また違う色になるだろうなと思って、ご一緒させていただくことになりました。

――『何者』では、どんな演出方法に惹かれたんですか?

 ひとつひとつのシーンの理解力と、僕たちに求めるハードルがものすごく高いので、そのハードルを越えるために、リハーサルがものすごい必要なんです。リハーサルを重ねるごとに、シーンの意味と自分の役の心の動きが、明確に見えてくるんです。そうやって追及していく三浦さんの演出が素晴らしく、妥協しない姿勢を尊敬します。そのリハーサルの時間が、僕はすごい好きでした。

 舞台の稽古の時間の中で、ひとつひとつ丁寧にやっていく作業は、たぶん僕には合うだろうし、すごく深い関係になれるんじゃないかな……って(笑)。

――以前、『娼年』で三浦さんとご一緒されていた松坂桃李さんが、取材時に「共犯関係」という言い方をされていたんですが、「すごく深い関係」とおっしゃった岡田さんも、近いニュアンスでしょうか?

 ああ、そうですね! 僕も『娼年』を観させてもらったんですけど……あのとき、友人である桃李さんが、普段見せないような表情を見せていたんです。「普段会ったときの松坂桃李」じゃなくて、やっぱり「三浦さんの演出を受けている松坂桃李」になっていて。僕にとっては、すごく美しく見えたんですよね。

 いい演出を受けて、いいお芝居をすると、プライベートから意外に変わっていって、というのを桃李さんも言っていたので。

――舞台の感想や、そうしたお話も、松坂さんとなさるんですね。

 コロナ前は、ふたりでごはんを食べることが多かったので、そうですね。役者としても、友人としても、すごい大好きな方なので。そんな彼が、少しずつ追い詰められていくお芝居は、見応えがありました。

 僕は「これ、今回、自分でできるのか⁉」というのもあったんですけど、「次、三浦さんとやるんだ!」と桃李さんに言ったら、「おおっ! 頑張れ!」と言ってくれました。あまり構えずやっていきたいです。

「今回は、ある意味、無防備な姿を見せられたらいいなと思っています」

――共演の峯田さんについては、「中学のときから尊敬してやまない峯田さんとお芝居できること、飛び跳ねました」とコメントされていましたが、GOING STEADY時代からファンだったんですか?

 はい、憧れの人です! 中学のときは、ほとんどゴイステと銀杏(BOYZ)ばかりを聴いていたんです。音楽好きな先輩から教えてもらったり、当時ラジオで好きな音楽を見つけたりしていた中で、ゴイステに出会って「なんだこれは……‼」となってからは、峯田さんが憧れの存在になっていました。今回、まさか一緒にお芝居できるなんて……中高時代の自分から考えると、この仕事を歩んできてよかったな、と(笑)。

――役者としての峯田さんにも、魅力を感じていらっしゃるんですか?

 そうですね。峯田さんにしかできないお芝居があって、それにどっぷり自分も影響されようと今回思っています。今まで自分がやっていた芝居が絶対的にダメとかじゃなくて、『物語なき、この世界。』は、ふたりの同級生の話なので、どっぷり峯田さんの色に染まろうという感じです。

――稽古が始まる前段階で恐縮ですが、どんな物語に仕上がりそう、どんな経験になりそう、という予感はいかがでしょうか?

 すごく人間臭い舞台になるんじゃないかなって、今思っています。舞台は日によって変わっていくし、お芝居も日に日に変わっていくとは思うんですけど、この舞台は特に変わっていく予感がしています。

 人間なので、毎日、絶好調ではない。でも、不調のときこそ、この芝居は意外に良かったりするのかなって。今回は、ある意味、無防備な姿を見せられたらいいなと思っているので、今までの自分のルーティンを全部変えようと考えています。

――無防備な姿を見せること、岡田さんは怖くはないんですね。

 いえ、もちろん……いろいろなものを取り入れて、自分でも安心できる材料を集めないと、中々お芝居はできません。でも、今回はちょっと開放的にというか。三浦さんとやると決まってから、そのつもりでいました。実際はできるかどうか、まだ稽古に入ってないのでわからないんですけど、稽古場の段階からそういう感じでいたいな、と思っています。

2021.06.15(火)
文=赤山恭子
撮影=佐藤 亘
スタイリスト=TAKURO
ヘアメイク=小林麗子(do:t)


岡田将生が語る“演じたい役”の共通点 「少し欠落している役に愛着が湧く」 https://crea.bunshun.jp/articles/-/31410 출처 @crea_web


2. 婦人公論.jp (『婦人公論』2021年7月13日号)

岡田将生「『ゆとりですがなにか』で共演者と芝居をしていた空間が、今も忘れられない」

助けてくれたのはマネージャーや大切な俳優仲間

2019年、舞台『ハムレット』への出演を控えて高まる気持ちを、『婦人公論』でお話しさせていただきました。実は、上演直前に演出が変わったこともあり、かつて味わったことがないほどの緊張と不安を感じながら幕開けを迎えたんです。それだけに、無事に初日を終えられた瞬間、感極まって涙が込み上げてしまったことを覚えています。

プレッシャーのなか、僕を引っ張ってくれたのはカンパニーの皆さん。「失敗しても大丈夫。支えてやるからそのまま行け!」と背中を押されている気がして、仲間とひとつのものを作り上げるとはこういうことかと実感しました。

僕にとって20代最後となったその年は、NHK連続テレビ小説『なつぞら』の撮影も重なって、とにかく忙しかった印象があります。ひたすらNHKと舞台の稽古場を往復する日々が終わると、また別の舞台への出演、海外での映画撮影……。頭がパンクしそうな状況で、よく台詞を覚えられたなあと、今になって思います。(笑)

そんな充実した年から一転。コロナ禍となった昨年は、精神的に落ち込むことが多くて――。その時、僕を助けてくれたのはマネージャーや大切な俳優仲間をはじめとした身近な人たち。この仕事は一人でできるものではないと、あらためて思い知らされた1年でした。

初めての緊急事態宣言が出ていた期間は、なにか有意義なことがしたいと考え、英語と歴史の勉強をすることに。

僕は高1の時にこの世界に入ったので、それ以降あまり勉強する機会がなくて。一度きちんと学び直したいと考えていましたから、今がそのタイミングだと思いました。それで、知人に紹介してもらって家庭教師をお願いしたんです。英語は海外の人と仕事をする時に必要ですし、歴史は時代ものに出演する際に役立ちますから。

授業はリモートで週数回、1回3〜4時間。英単語のテストもあって、結構スパルタでした。当初、世界史と日本史を学ぶ予定だったのですが、先生が世界史に力を入れすぎたあまり、日本史に取り掛かる前に僕の仕事が再開してしまって(笑)。それでも授業は楽しかったです。今後も自分のペースで勉強を続けていきたいと思っています。

時生がいてくれるだけで、安心できます

三浦大輔さんが作・演出を手掛ける『物語なき、この世界。』(現在上演中)で、約2年ぶりに舞台に挑戦することとなり、今ものすごくワクワクしています。

三浦さんとは16年公開の映画『何者』でご一緒して、「三浦さんの演出なら、どんな作品でも出演したい」とずっと思ってきました。一人一人の芝居をきちんと見てくださるし、感覚が似ている気がして、多くを語らなくてもわかり合えると感じたんです。そういう感覚は大切にしています。

今まで舞台については、台本をいただいてから出演を決めてきたのですが、今回は何もわからない状態で即決。稽古から本番まで、三浦さんと濃密に進めていくのが楽しみであり、恐怖でもあります。(笑)

三浦作品は、スキャンダラスな題材とリアルな感情を追求した演出で知られていて、僕自身は今までそういうジャンルに飛び込んだことがなかったものの、ずっと憧れがありました。

今回、僕が演じるのは売れない役者・菅原裕一。同棲している彼女に養ってもらっている、いわゆる《ヒモ》です。表現したいのは、菅原という人間の無防備さや脱力感。これまでとは違う一面をお見せしたいと思います。

共演者の皆さんは魅力的な方ばかりです。菅原の同級生で売れないミュージシャンに扮するのは、峯田和伸さん。峯田さんがボーカルを務めるロックバンド、銀杏BOYZがすごく好きなので、お目にかかれるだけでも本当に嬉しいのに、一緒にお芝居ができるなんて!

それから、同い年の柄本時生くんとは、10代からの知り合い。舞台で共演できることになって「やったね! やっとだね」と喜び合いました。時生がいてくれるだけで、安心できます。(笑)

昨年はさまざまな舞台や映像作品が休演や公開延期になるのを見聞きして、心を痛めることも多かったです。それと同時に、舞台に立てることに感謝しなくてはいけない、すべての公演を大切にしなくてはと、あらためて身に沁みて感じるようになりました。

観客の皆さんに安心して物語に浸っていただけるように、きちんと届けたい――。単純に舞台が好きというだけでなく、そういう思いが自分のなかに芽生えたことを実感しています。

桃李さんが結婚した時は、感慨深かった

俳優の仕事は、台詞を覚えるのは大変ですし、自分の不甲斐なさに心が折れることもしばしばですが、共演者や見てくださる方に「届いた」と感じられる瞬間に喜びがあります。そんな時には、物語の一部になれたと感じることができるんです。

舞台ならではの魅力、醍醐味といえば、映像ではなかなかできないような役柄にも果敢にチャレンジできるところ、言葉で遊べるところではないでしょうか。また、ある日は、稽古の成果がまるで出せなくて落ち込んだかと思うと、別の日には最大限のパフォーマンスができる、ということも。おのずと自分自身を見つめることが増えます。そんな時間も僕は好きです。

転換期となった作品をひとつ挙げるとしたら、16年のドラマ『ゆとりですがなにか』です。松坂桃李さん、柳楽優弥くんをはじめ、共演者の皆さんと自然に呼吸するように芝居をしていた空間が、今も忘れられなくて……。あの呼吸を自分の体が覚えているから、もう一度思い出すためにずっと必死に芝居をしている、とも言えます。あの時の空気感に出合いたくて、役者を続けているのかもしれません。

昨年、プライベートでも一番仲良くさせていただいている桃李さんが結婚した時は、感慨深かったですし、本当に嬉しかった─って、僕ももう30歳を過ぎたし、のんきに構えている場合じゃないですね。(笑)

年齢とともに責任を負うことも増えてきていますが、だからこそ《あの呼吸》を思い出して、力を抜いて芝居を楽しみたいです。ドラマや映画での僕に興味を持ってくださった方は、ぜひ劇場に足を運んで生のエネルギーを感じてください!


岡田将生「『ゆとりですがなにか』で共演者と芝居をしていた空間が、今も忘れられない」 https://fujinkoron.jp/articles/-/4083 #婦人公論


3. anan

岡田将生「30代の今こそ“そっちの世界に”」『物語なき、この世界。』で新境地に

 2021年7月12日  ananエンタメ

3年ぶりの新作舞台『物語なき、この世界。』の公演を発表した、劇作家の三浦大輔さん。三浦さんの手がける中でもとくに舞台は、過激でスキャンダラスな題材や人間の生々しい生き様を描いた作品が知られるが、今回の主人公に岡田将生さんを抜擢したことで、双方の新境地を期待する人も多いのではないだろうか。

 

「三浦さんとは、映画『何者』でご一緒させていただいた時に、口数が少なくてもお互いになんとなく分かり合える部分を感じましたし、芝居をしっかり見てもらえたという思いもあって、もっと三浦さんの演出を受けたいと思っていました。そういう感覚は結構大切にしていて、三浦さんの作品ならどんなジャンルであろうとやりたいと思っていたので、このお話をいただいた時は、すぐにやらせていただきたいとお返事しました。脚本がないままお受けするのは初めてだったのでドキドキしていますし、新たなチャレンジになるという恐怖もあります」

 

岡田さんと共に挑むのは、個性派やベテランの役者たち。

 

「峯田(和伸)さんの音楽が元々好きなこともあり、今までにないセッションが期待できますし、大先輩の(寺島)しのぶさんは舞台上に一緒に立つだけで頼れる存在で。10代から知っている柄本時生とは舞台で初共演が叶って『やっとだね』なんて話してて。みなさんとこの作品を濃密に作り上げるのが楽しみです」

 

ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』では、理屈っぽくてひねくれた“元夫”を演じ、そのどこか憎めないキャラクターが目を引いた。

 

「自らクセのある役を選んでいるところもあって。僕にとっては欠点がある人の方が魅力的だし、それを理解しながら生きている人に愛着が湧くんです。とくに最近はそういう役柄が続いていて、楽しんで演じさせていただいています。一時期は責任感に囚われすぎていたこともあったけど、今は力を抜いてお芝居を満喫したいと思うようにも。その転機となったのが2016年のドラマ『ゆとりですがなにか』。同年代の役者と呼吸をするように会話をした現場が強く印象に残っていて、あの呼吸を思い出すために必死にお芝居をしている部分もあります」

 

一方、舞台では歴史的名作を含めいろんな役柄に果敢に挑戦できたり、セリフで遊べる部分にやりがいも感じているという岡田さん。

 

「生の芝居で自分のダメさを実感したかと思えば、翌日には最大限の力を発揮できたりするのも、舞台の面白さ。自分自身を見つめ直せて、どこかリセットできるような魅力があります。毎回刺激的な三浦さんの作品も、30代の今こそ“そっちの世界に”っていうのも変だけど(笑)、飛び込めることに覚悟しつつ、呼んでいただき感謝しています」

 

「僕自身はクセはない、つまらない人間ですよ」と笑う。

 

「同世代でイケメンの決め決めの役をやってくれと言われたら、僕よりも似合う役者がいる。そこは手は出せないから、自分の役割は見つけていかなくちゃとは考えていますが、どんな役でもハマれる人にはなりたい。その時どきで、柔軟に対応できる役者でありたいです」

 

おかだ・まさき 1989年8月15日生まれ、東京都出身。出演映画『Arc アーク』が公開中。また映画『ドライブ・マイ・カー』は8月20日、『CUBE』は10月22日公開予定。12月には舞台『ガラスの動物園』が上演予定。

 

ジャケット¥31,900 Tシャツ¥20,900 パンツ¥22,000(以上NEEDLES/NEPENTHES TEL:03・3400・7227)

 

『物語なき、この世界。』 売れない役者・菅原裕一と売れないミュージシャンの今井伸二が10年ぶりに新宿歌舞伎町で出会い、二人のドラマは幕を開けたかのように見えたが、そもそもこの世界に物語など存在するのだろうか…。7/11(日)~8/3(火)Bunkamuraシアターコクーン 8/7(土)~11(水)京都劇場 

 

※『anan』2021年7月14日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・TAKURO ヘア&メイク・小林麗子(do:t) インタビュー、文・若山あや

 

(by anan編集部)


岡田将生「30代の今こそ“そっちの世界に”」『物語なき、この世界。』で新境地に|BIGLOBE Beauty https://beauty.biglobe.ne.jp/news/entame/anan_210712_7397824584/


4. mainichi.jp

岡田将生 生々しい姿を見せる 三浦大輔作・演出の舞台に主演

... 유료기사^^*


5. TOKYO CALENDAR

まっすぐで、愛される俳優・岡田将生。ほほえましい私生活を語ってくれた

2021.06.24

微笑ましいエピソードが続くが、夜遊びに西麻布へ行くようなことはないのだろうか?

「怖くて行けないです……」

ちょっとイケない大人たちが朝まで飲んでいる印象が抜けないとか。とはいえ、この業界にいると西麻布への誘いもあるのでは?

「全部断っています。本当に必要な付き合いの時は行きますけど」

頑なである。夜遊びには縁遠いが、自分が大人になったと思う遊びもある。それは高校の同級生と山のロッジへ各々クルマで集まって、一泊しながらお酒を飲んだこと。

本来、外食も大好きで以前は自ら予約して食べ歩いていた。いまは家での食事が大半となり、カラフルな生野菜を摂るように心がけている。

「体調を考えて、シンプルな塩とオリーブオイルだけのサラダを毎日必ず一食は食べるようになりました。

人参、アボカド、トマト、マッシュルーム、ブロッコリースプラウト、ほうれん草など6種は必ず入れて、日によってはナッツも」

きっとSNS映えするが、その彩りはあくまで自己管理のためのもの。なお、SNSは見ることもない。

それより話題の小説や映画、演劇をチェックすると言うので、最近良かった作品を聞くと、「いまは撮影中の『大豆田とわ子と三人の元夫』の脚本に感動しています。それで頭がいっぱい」とのこと。

彼が演じた〝しんしん〞が魅力的なわけである。

一貫して柔らかな口調だが、内に秘めるこだわりや意思の強さも垣間見える。まさに「柳の枝に雪折れなし」。しなやかで決して折れない。だから15年トップにいる。

その強い木の養分になっているのは、きっと芝居への静かな情熱だろう。そんな俳優の人生は、やっぱりドラマチックにみえるのだ。

■Information
COCOON PRODUCTION 2021『物語なき、この世界。』
作・演出は三浦大輔氏。岡田将生さんが売れない俳優役、峯田和伸さんが売れないミュージシャン役で共演。新宿歌舞伎町を舞台に、きれいごとなしの人間の本質を表現する。「なにせ三浦さんの作品なので、奇抜で興味深い物語になっているはずです。この年、この夏にやる意義がある作品だと思いますので、だらしなく無防備な姿をぜひ見てもらいたいです」と岡田さん。東京公演は「Bunkamura シアターコクーン」にて7月11日~8月3日、京都公演は「京都劇場」にて8月7~11日。

■プロフィール
岡田将生 1989年生まれ、東京都出身。2006年に俳優デビュー。主要キャストを務める映画『Arc アーク』が6月25日、『ドライブ・マイ・カー』が8月20日、『CUBE』が10月22日に公開予定。12月には主演舞台『ガラスの動物園』が上演予定。

■衣装
ジャケット 81,400円、シャツ 26,400円、パンツ 28,600円、ベルト 13,200円〈全てScye TEL:03-5414-3531〉、その他スタイリスト私物



東京カレンダー最新号では、岡田将生さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、俳優として輝く彼が30代のいま、生きていると実感の沸く瞬間とは?

アプリのダウンロードはこちらから。


 

まっすぐで、愛される俳優・岡田将生。ほほえましい私生活を語ってくれた https://tokyo-calendar.jp/article/21461 @tokyo_calendarより


6. CINEMA CAFE

【インタビュー】芳根京子&岡田将生、いまだからこそ感じる俳優としての喜び

6月25日(金)より公開される映画『Arc アーク』にて、夫婦役となった芳根京子&岡田将生。『蜜蜂と遠雷』、『愚行録』などで知られる石川慶監督が手掛けた初のSF作品は、人類初・永遠の命を得た芳根さん演じる、リナが主人公の物語。

2021.6.23 Wed 7:45

6月25日(金)より公開される映画『Arc アーク』にて、夫婦役となった芳根京子&岡田将生。『蜜蜂と遠雷』、『愚行録』などで知られる石川慶監督が手掛けた初のSF作品は、人類初・永遠の命を得た芳根さん演じる、リナが主人公の物語。

ストップエイジングの研究を完成させ、リナと共に終わりのない人生を選んだ黒田天音(岡田さん)。若い身体のままふたりで年を重ね、永遠の幸せを手に入れたかのように見えたが、残酷な運命が顔を出す。「不老不死」は、やはり禁断の果実なのか、それとも…。

静かに迫る死生観、すべてを受け止めてくれるような壮大な画、豊かな映画体験が約束される本作では、浮かび上がったテーマや、身近な人を愛するということに、改めて思いを馳せることができる。出演した芳根さん&岡田さんは、本作をどう受け止めたのか? テーマから派生して、今思う様々なことをインタビューで聞いた。

一筋縄ではいかぬ役に身を投じた芳根京子を岡田将生が絶賛「映画に覚悟が刻まれている」

――非常に余韻が残る映画『Arc アーク』、ご出演の芳根さん、岡田さんは、完成作をご覧になって、どのように感じられましたか? 撮影時に想像していた仕上がりとのギャップなどもあれば、教えていただきたいです。

芳根:石川さんがどんな風に編集されるのかが楽しみだったので、撮影のときは何の予想も立てていませんでした! 石川さんが撮る画を、「ああ、こういうのが必要なんだな」と受け止めながら、ずっと臨んでいたんです。完成作を観たときは、なんだか、すごくすっきりした気持ちになりました。新しいジャンルの映画が誕生したんだな、と思えたんです。そんな作品に参加させてもらえていることを、すごく嬉しく感じました。

――「すっきりした」とは、とても面白い表現ですね。

芳根:ほんとですか!

岡田:芳根ちゃん、やりきったからね。完成作を観て、石川監督ならではの温かみのある画と、象徴的なラストシーンで「すごく包まれて終わったなあ」と思いました。生と死という壮大なテーマと、親と子の壮大な物語でもあるので、両方つきつけられて…なんか席を立てなくなりますよね。「うおお、すごいものを観せられた!」と。僕も参加できて、本当によかったです。

この映画を観て、何より思うのは、芳根ちゃんのこの役をやる覚悟というか。おそらくどの俳優さんが見ても、「これは一筋縄じゃいかないよ」と感じられる台本だったので、やるにあたっての覚悟と、石川監督に身を任せ信じて戦っている姿が、この映画に刻まれていると思います。

――もしも岡田さんがリナ役でオファーされることがあったら、やっていましたか? 俳優としては惹かれる役どころでしょうか。

岡田:絶対に行っていたと思います。でも、捧ぐにはものすごく覚悟がいるので、お返事の期限ぎりぎりまで「んー、どうしよう、どうしよう!」と、悩んでいるかも…。だからこそ、やっぱり芳根さんは本当に素晴らしいと思いました。

芳根:そんな、ありがとうございます。

――撮影現場では、お互いどのようにコミュニケーションを取っていらしたんですか?

岡田:前も一緒にドラマをやっていたので、そのときと変わらなかったよね?

芳根:そうですね! 撮影中は、ずっと「まーさん」と呼んでいたんです。私、人と距離を近づけるのが下手なので、「呼び方から近づいていきます!」と言っていたんですが…現場で誰ひとり呼んでいませんでしたね(笑)。一向に浸透せず、今も「岡田さん」という気持ちです(笑)。

岡田:石川監督だけ、低いいい声で、たまに呼んでくれてました(笑)。

――香川でのロケと伺っていますが、おふたりならではの思い出も、ありますか?

芳根:一緒にそうめんを買いに行きました。「どうしても、最後にそうめんだけは買って帰りたい!」と言って、開いているお店を調べて、慌てて買いに行った思い出があります。

岡田:あと、小豆島で1回、石川監督と、寺島しのぶさんと一緒にごはんも食べたよね。今回、土地に助けられている部分もすごくあったなと思います。香川県庁の建造物も素晴らしかったし…あと、うどんもおいしいし(笑)。

芳根:私、お昼休みや移動のときに抜け出して、うどんを食べてました(笑)。「せっかく香川にいるんだから、絶対に食べたい!」と思って、こっそり食べに行って何喰わぬ顔で現場に帰っていました、いい思い出です(笑)。

もし永遠の命を授かったら…享受したい喜びとは?

――本作において「不老不死」は、ユートピアでもディストピアでもないことが描かれています。永遠の命について、もしおふたりが授かったとしたら、享受したい喜びは何でしょう?

芳根:わあ! その質問、新しいですね! でも、何だろう…どうしよう(悩)。

岡田:ありきたりなことになっちゃいますが、生きていく中で限られたところにしか行けないから、せっかく不老不死なら、自分がまだ見ていない景色、行っていない土地とか、世界中全部回れたら面白いんだろうなって思います。その土地の人にお会いして知っていくことによって、自分の人生観も変わっていくだろうし、いいなあって。

――ちなみに、岡田さんがこれまで行かれた国で印象的だった場所、もう一度行きたいところはどこですか?

岡田:そんなにいろんな国に行っていないですが…スペインかな! 街にアートが溢れているから、面白かったです。活気もあって、料理もおいしくて、美術館もいっぱいあるし。芳根ちゃんは、どこかある?

芳根:ニセコ(北海道)です! 実は、ニセコの近くに両親の実家があるので、しょっちゅう行っていたんです。本当に車も通らない、家もない、街灯もないような場所で、道にレジャーシートを敷いて、母とふたりで寝っ転がって、流れ星をずっと見ていたことがあって。

岡田:いいね!

芳根:「今、見た!?」、「見た!」みたいなのが、すっごく楽しくて。今、自由に外に出たりできなくなってしまったから、より一層、ああいうことをしたい! という願望が強いかもしれません。

――すごく素敵なエピソードですね。芳根さんは、永遠の命を得たバージョンの喜び、ほかに何かありますか?

芳根:えっと…皺ができない、とかは嬉しいかもしれない!と思います。言っても私は24歳なので、身体が老いていくことに、むしろまだちょっと喜びを感じているんですが。けど、もちろん、これから年齢があがったら、「うわー、年齢を止めたらこの皺がなかったのに!」とか、ポンポン出てくるんだろうなと思います。

――そうですよね。ちなみに、岡田さんは老いを感じること、ありますか?

岡田:やっぱりね…30超えると、ありますよ。

芳根:え、あるんですか!? 何が一番変わります?

岡田:傷の治りが遅くなる(苦笑)。

一同:(笑)。

芳根京子&岡田将生の日々の幸せと喜び「最近、お芝居がすごく楽しい」

――永遠の命とは逆に、限りある命だからこそ得られる喜びや幸せも、本作からは感じられます。おふたりの日々の中での喜び、俳優としての喜びを感じるときなどを、教えてください。

芳根:私はこの作品に参加してというのもありますし、このご時世というのもあって、小さな幸せが、すごく大きな幸せに感じるようになりました。友達と会えるだけで、嬉しさが今までと違うんです。割と身近な、いろいろなところに幸せって落ちているんだなと気づけて、人生が豊かになった気がしました。だから、すごく得した気持ちになっています。美味しくご飯を食べられることも幸せだし、いろいろなことが大きな幸せに感じます。

岡田:僕は、去年ぐらいから改めてお芝居が楽しくなりました。作品のめぐり合わせというか、素敵な監督や共演者の方々に恵まれたこともあるとは思うんですけど、最近、お芝居が以前に増してすごく楽しいんです。何だろうな。前よりテンション高くで現場に行くようになって(笑)。

芳根:へぇー!

岡田:仕事が充実していることもあるんでしょうけど、緊急事態宣言もあったので、より一層現場に行って、お芝居ができることのありがたみを感じているのかなと思います。例えば、「芳根さんとお芝居します」となって、芳根ちゃんとお芝居の呼吸が合ったりすると、「なんか今、良かったよね」みたいな。その空気は、その一瞬しか感じることが出来ないものなので、監督と一緒にカメラに収めていく作業や、そういう積み重ねで楽しく感じます。《text:赤山恭子/photo:Jumpei Yamada》